文部科学省が2023年10月3日に「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を公表しました。
いじめの認知件数は全校種計で681,948件で前年度の615,351件から66,597件(10.8%)増加しています。また、重大事故の発生件数も923件と前年の706件から217件(30.7%)増加しており、いずれも過去最多の結果でした。
文科省は増加の原因として、「新型コロナの影響によって自粛していた部活動や学校行事が再開されて接触機会が増えたこと」、「いじめの定義やいじめの定義に関する理解が広まったこと」、「SNS等のネット上のいじめに対して積極的に認知を行ったこと」などが考えられるとしています。
小中学校の不登校者数に関しても、299,048人で前年度244,940人から54,108人(22.1%)増加して過去最多の結果でした。不登校の児童生徒数は10年連続で増加しており、特にここ数年は顕著に増えています。
文科省はいじめの原因として、「長期化するコロナ禍による生活環境の変化により生活リズムが乱れやすい状況が続いたことや、学校生活において様々な制限がある中で交友関係を築くことが難しかったことなど、登校する意欲が湧きにくい状況にあったこと等も背景として考えられる」としています。不登校児童生徒に対して行った不登校の要因に関するアンケートでは「無気力・不安」が小中学校どちらでも50%を超えていますが、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」「生活リズムの乱れ、あそび、非行」がそれぞれ10%ほどあり、学校における他人との接触に不安を覚えている児童生徒少なからずいることが伺えます。
この結果を受け、文科省および子ども家庭庁はスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の充実を図るほか、こどもの居場所づくりの支援体制強化に積極的に取り組むとしています。
参考:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査:文部科学省 (mext.go.jp)