文部科学省は2024年の4月から不登校の高等学校の生徒が遠隔(オンライン)授業でも単位を取得できる制度を導入しています。義務教育の範疇にない高等学校教育ですが、実際はほとんどの生徒が中学卒業後は高校に進学しています。2022年には小中学校の不登校の人数は過去最多になっています。原因はコロナ禍での生活リズムの乱れや、その影響による友人関係の構築が難しかったことなどいわれています。このような不登校を経験している生徒が増加しているなか、高等学校教育にも柔軟さが求められるため「生徒を主語にした」高等学校教育を実現するための施策の一環として遠隔授業での単位認定も実施されます。不登校4月からはモデル校を指定し学習効果を上げるための研究も行っているようです。
どうすればオンライン授業で単位認定を受けられる?
今回の制度導入により、校長が認めれば36単位を上限としてオンライン授業でも単位認定を受けられるようになりました。高校卒業までに必要なのは74単位以上なので半分近くがオンライン授業で取得できることになります。
従来は病気などの理由で登校できない生徒に対しての特例はありましたが、自宅でオンライン授業を受けての単位認定は認められていませんでした。今後は同時双方向の形態で不登校の生徒が自宅からオンラインで参加する場合でも授業を受けたことにできるようです。
この記事では不登校生徒の単位認定について扱っていますが、今回の施策におけるオンライン授業の活用は不登校生徒に限った話ではなく、少人数校、山間部、離島など人員の確保の難しい環境で学びの機会を増やすことに一躍買っています。これまでは、オンライン授業の場合発信側と受信側の両方に教員免許を持っている教員がいないと授業ができませんでしたが、これからは受信側に教員免許持たない職員が教室にいれば授業を行えるようになります。
参考:
文部科学省ホームページ|高等学校教育の在り方ワーキンググループ中間まとめの周知用概要資料等
文部科学省ホームページ|高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について(通知)(5文科初第2030号)