ワクチン接種

先日、大阪と東京で麻疹の感染が確認されたことがニュースになっており、日本国内での流行の可能性があることから厚生労働省が注意喚起をしています。また、SNS上で「自然に感染して免疫を獲得した方がいい」などの誤った情報が出回っているため、公的機関の情報を確認するなど注意を呼び掛けています。

麻疹とは

麻疹に感染すると39℃程度の発熱、発しん、咳、鼻水、目の充血などの風邪の症状があらわれます。また、肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。 死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。厚生労働省のホームページによると、平成27年3月27日、世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されており、排除後は、海外からの輸入例と、輸入例からの感染事例のみを認める状況となっていたようです。

今回はなぜニュースで騒がれているのはなぜ?

その理由は麻疹の「驚異的な感染力」によります。感染力が極めて強いため免疫がない場合、感染者と同じ室内にいただけでほぼ確実に感染するといわれています。今回は感染者が滞在先の東京で発症し、飲食店や新幹線の利用があったため東京都はそれらの情報を公開し、同じ場所を利用した人に対して体調に異変があった場合は事前に連絡したうえで、公共交通機関を使わずに医療機関にかかるよう呼び掛けています。

インフルエンザの場合、免疫のない集団に1人感染者がいた場合1~2人に感染、麻疹の場合は12~14人に感染するとされています。この感染力の違いの理由の一つは麻疹は「空気感染」するという点です。インフルエンザや新型コロナウイルスの感染経路は「飛沫感染」で咳やくしゃみに含まれるウイルスが体内に入った場合に起こるものです。これはマスクの着用や手洗い・消毒等である程度防ぐことができます。しかし、「空気感染」の場合飛沫感染の場合水分を含まない状態のウイルスが空気中を浮遊するため滞在時間が長く、遠くにまで飛んでいきます。飛沫感染の場合は感染者の咳やくしゃみから出るウイルス(飛沫)を体内に取り込まないようマスクや換気手洗いうがい、消毒等で対処してきましたが、空気感染の場合はこれらの対策ではほとんど効果がありません。

麻疹の感染を防ぐには

麻疹には特効薬はなく、有効な手段はワクチンの接種等による免疫の獲得しかありません。2000年4月2日以降生まれの人は定期接種として2回ワクチンを受ける機会がありますが、それ以前に生まれた人は定期接種が1回もしくはなかった状態です。すでに麻疹にかかったことがある場合はすでに免疫を獲得していますが、定期接種を2回受けていないと免疫が獲得できていない可能性が高いです。すでにかかったか、予防接種を受けたかあいまいな場合はかかりつけの医師に相談してみましょう。

ただし、新型コロナのワクチンと違い妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠していない場合であっても、おなかの中の赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるため接種後2カ月程度の避妊が必要ですので注意してください。

参考▽
NIID 国立感染研究所ホームページ
厚生労働省ホームページ:麻しんについて

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