2023年7月27日、警察庁は「闇バイト」に関わってしまってから検挙されるまでの実態まとめた事例集を公表しました。警察庁はこの事例集が、「闇バイト」は犯罪であると少年の道徳心に語りかけ、少年が自らの判断に基づき、犯罪加担行為を踏み止まれるよう少年等の心に響く広報啓発を実施に活用してほしいとしています。
「闇バイト」とは、「闇バイト」という呼称が広まっていますが、アルバイトではなく使い捨てにできる犯罪の実行役を募っているにすぎません。高額の報酬をちらつかせたり、言葉巧みに特殊詐欺などの犯罪の実行役に仕立てた揚句、実際に報酬が支払われないというケースも多いようです。
募集はSNSやインターネット掲示板で募集することが多く、目先の利益にとらわれた少年が標的とされており、重大な犯罪に加担してしまうことが社会問題となっています。
公開された事例集では少年自らSNSで「闇バイト」「高額報酬」などと検索してして応募している他、親しい友人や先輩の紹介されるケースもあることが紹介されています。また、「アルバイトの登録に必要」などと巧みに履歴書、写真、住民票の写しなどの個人情報の提出を要求され、正当な仕事だと考えてそれらを提出してしまうと脅迫の材料に使われます。中には家族構成や恋人の写真や生年月日を教えてしまい、「家族を全員殺す」などと脅され、従うしかない状況に追い込まれたケースもあります。
「闇バイト」は犯罪であり、たとえ親しい友人や先輩などの紹介であったとしても断る判断ができるようこういった事例は繰り返し少年たちに伝えていく必要があります。捕まらなければ大丈夫などということはなく、一度でも関与してしまうと穏便に離脱することはできずに繰り返し脅迫され、逮捕されるまで捨て駒として使われ切り捨てられます。
少年たちは犯罪をしていいとは考えていなくても、重大にはとらえておらず軽く考えている場合もあります。被害者のみならず、犯行に加担した少年やその家族が傷つくことのないようこういった情報は広く共有されるべきですね。
参考:「闇バイト」は犯罪実行者の募集です|警察庁Webサイト (npa.go.jp)